冬の「結露」は家のダメージの原因に! 発生させないための工夫とは?
2018年1月29日
冬になると、「家の至る所に結露が発生してしまい、困っている」というお悩みを訴える方も多くいます。水滴でべたべたになってしまった窓やサッシなど……お手入れも大変ですよね。放っておくと健康被害や家のダメージ増加にもつながってしまう結露。どうすれば結露の発生を防ぐことができるのでしょうか。日常生活の中で実践できる工夫やリフォームのヒントなどを紹介していきます。
そもそも結露とは、なぜ発生するの?
寒い時期や湿気が多い時期、人々を悩ませやすいのが「結露」です。結露の問題をなんとかしたい!と思ったときには、まずはその発生メカニズムを頭に入れておきましょう。結露とはどのようなもので、具体的にどう発生するのでしょうか。結露は、冬場の窓ガラスに発生するのが一般的ですが、それ以外にもさまざまな場面で見られます。
・グラスに冷たい飲み物を注いだときに生じる水滴
・雨の日など、車の窓ガラスに生じる曇り
実はこれらも、立派な結露です。結露とは、「水蒸気が多い環境で、なおかつ温度が低いときに発生しやすい」という特徴を持っています。グラスの例でいえば、冷たい飲み物が注がれることで周辺の温度が下がりますし、車の例でいえば、外気と接する窓ガラスはやはり冷えやすいものです。
これを住宅にあてはめて考えてみると、寒い冬、室内では「暖房」や「調理」、「毎日の人間的な生活」の中でどんどん水蒸気が発生していきます。しかし、空気中に「水蒸気」として存在できる水分量には限界があります。空気中の温度が高いときには、より多くの水蒸気を含むことができますが、温度が下がると飽和水蒸気量は少なくなります。水蒸気として存在できなくなった水分が「水滴」となり、目に見えるようになるというわけですね。
住宅の中でも、窓の付近は外気の影響を受けやすい部分です。気温が下がりやすく、結露が発生する条件が整っています。結露の発生には「温度」という条件も深く関わっていますから、冬の寒さが厳しい恵那市や中津川市周辺は、「結露が発生しやすい環境が整っている」と言っても良いでしょう。
結露を防ぐためのポイントとは?
結露が発生する仕組みを頭に入れたところで、次に気になるのが「じゃあ一体、どうすれば良いの?」という点です。結露発生を防ぐために意識したいポイントは二つ。「水蒸気の発生量を抑える」、もしくは「温度の低下を防ぐ」というものです。
温度が低くても、室内が乾燥しており、飽和水蒸気量を越えなければ結露は発生しません。室内の湿気を抑えるためには、以下のような方法をとるのが効果的です。
・室内干しをしない(もしくは除湿機を使用)
・定期的に換気をする
・暖房方法を見直す
洗濯ものの室内干しは、湿度上昇の原因となります。天気が悪いときには、除湿機を使用しながら乾かすことで、乾燥スピードもアップするでしょう。また、人間が生活をしていれば、意識しなくても水蒸気を発生させます。定期的に換気を行い、室内の空気を循環させましょう。換気扇をうまく利用するほか、窓の換気框も活用してください。
最後に暖房方法についてですが、ストーブやファンヒーターなどは部屋を暖める過程で水分を放出します。結露発生の原因になりやすいので、エアコンや電気ストーブ、床暖房など、燃焼させないタイプの暖房器具に切り替えるのもオススメの方法です。
次はもう一つのポイント「温度の低下を防ぐ」ためのコツについて紹介します。室内にある程度の水蒸気量があっても、温度が高ければ水蒸気は水蒸気のままでいられます。温度が下がりやすい場所を重点的にケアすることで、湿度の発生を抑えることも可能になります。
・カーテンは開けておき、窓周辺に冷たい空気がとどまらないようにする
・窓の断熱性能をアップする
カーテンは、外からの冷気をシャットアウトするのに役立ってくれますが、「カーテンの向こう」と「こちら」では温度差が生まれてしまいます。できるだけ開けておくことで、空気の循環を促し、窓周辺部分だけの温度低下を防げます。また断熱フィルムや段ボールなどで、窓の断熱性能をアップするのもオススメの方法です。外部から熱が伝わりにくくしてくれますから、結露防止につながるでしょう。
心地よい暮らしを守るため、リフォームの検討も
窓ガラスに発生する結露を、毎日ふき取るのは大変なことです。またフィルムや段ボールで対策をするには、「見た目」や「手間」の問題をクリアしなければいけません。「結露を本気でなんとかしたい!」と思ったときには、窓のリフォームをするのもオススメの方法です。窓の断熱リフォームは、非常に人気が高いメニューです。
・窓ガラスをより断熱性の高いものに交換する
・既存の窓の内側に、もう一つ「内窓」を設置する
これらの方法は、特に人気が高いです。窓の断熱性能をアップすることで、外からの熱が伝わりにくくなり、結露の発生を抑えてくれます。またそれだけではなく、「室内の暖かい空気を外部に逃がさない」という効果も期待できます。さまざまな面で、「より暮らしやすい環境」を提供してくれることでしょう。
まとめ
窓ガラスが濡れるているだけのように見える結露ですが、そのまま放っておくと、家のダメージや家族の健康被害にもつながってしまいます。長年の湿気が原因で構造体がボロボロになってしまう家や、空気中のカビが原因でアレルギー反応を示す方は決して少なくありません。結露によるトラブルを軽減するためには、まずはその発生メカニズムを知っておきましょう。その上で根本的な対策をとることで、家族みんなが長く安心して生活していける空間が手に入ります。